ラズベリー・パイ(Raspberry Pi)ってどんなコンピュータ?
イギリスの非営利組織ラズベリーパイ財団がコンピュータ科学の学習用に開発した小型のコンピュータです。写真のように基盤むき出し、ナマのコンピュータです。約9センチ×6センチのコンパクトなサイズですが、一般的なパソコンとしても充分な機能、性能を備えています。
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Raspberry Pi 3 MODEL B |
また一般のパソコンには無いGPIOというデジタル信号入出力用のインターフェース(写真奥に飛び出ている40本のピンです)を備えているため、電子工作に活用できるようになっています。
前述の通り、本来は学習用に開発されたラズベリー・パイですが、その使い勝手の良さからIoT分野を中心に様々な製品にも組み込まれ、活用されています。CoderDojoのメンターの中にもラズベリー・パイを使った仕事をしている人がいます。
ラズベリー・パイをおすすめする理由
コンピュータを使ってプログラミングをしたり、何か作ったりするには自分で考えて、試行錯誤するための長い時間が必要です。それには子供たちが自分専用に使えるコンピュータを用意してあげたいものです。ラズベリー・パイならば比較的安い費用でそれが実現できます。また子供たちが何か興味を持ったときに、ソフトのダウンロードや設定が難しかったり面倒だと、せっかくのやる気が失われてしまうことがあります。ラズベリー・パイなら最初から一通りの環境がすべてそろっています。
ラズベリー・パイ用の基本ソフトRaspbian(ラズビアン)はLinux(リナックス)をベースに作られています。基本的な操作はWindowsやMac OSなどとあまり変わりません。またCoderDojoでおなじみのScratch(スクラッチ)をはじめ、Python(パイソン)、Java(ジャバ)、C言語やRuby(ルビー)などのプログラミング言語、プログラムで音楽を作成するSonic Pi(ソニック・パイ)や高度な数式処理を行うMathematica(マセマティカ) などもすぐに使えるよう標準でインストールされています。
注目なのは子供たちに人気のゲームMinecraft(マインクラフト)が最初から入っている点です。このMinecraftは普通のゲーム機版とは違い、ScratchやPythonを使いプログラムで制御できるようになっているため、電子工作とMinecraftを合体させて動かすこともできます。
ラズベリー・パイを使うために必要なものと価格
ラズベリー・パイ本体
ラズベリー・パイにはいくつか種類があるのですが、初めて使うなら最も高性能で無線LAN機能を搭載したRaspberry Pi 3 MODEL Bをおすすめします。値段は販売店によって違いますが5,500円前後です。価格の安いRaspberry Pi Zeroという製品もありますが、超小型で消費電力が少ない一方、CPU性能が低いためデスクトップパソコンとしての使用には難しい面があります。初めて試すならRaspberry Pi 3の方が良いでしょう。
ACアダプタ
ACアダプタは基本的に別売で、ラスベリー・パイの規格に合致したものが必要なので注意してください。Raspberry Pi 3用として販売されている5V/2.5A~3.0Aの製品を使ってください。値段は1,500円~2,000円です。スマホ用のACアダプタもコネクタ形状は同じですが、供給電力が不足するためRaspberry Pi 3の動作が不安定になることがあります。
マイクロSDカード
ラズベリー・パイ用のシステムは一般のパソコンと違い、マイクロSDカードを使ってシステムを起動、データを保存するようになっています。デジタルカメラなどに使うものと同じです。16GB以上の容量があれば充分です。これも1,000円~1.500円くらいです。キーボードとマウス
キーボードとマウスは普通のパソコン用USB接続のものが使えます。ディスプレイとHDMIケーブル
ディスプレイも普通のパソコン用のものが使えますが、HDMI端子を備えたものが必要です。古いVGA接続のディスプレイだとそのままでは使えないので注意してください。またHDMIケーブルは別売になっていることが多いので、購入の際はHDMIケーブルが付属しているかどうか確認を忘れないでください。
ラズベリー・パイ向けに小型のディスプレイも販売されていますが、日常使うにはある程度の大きさがあった方が使いやすいはずです。
専用ケース
持ち運びのとき壊してしまわないように、専用のケースもあった方が良いでしょう。1,000円前後から色々なケースが販売されています。ただしラズベリー・パイの型番によって若干大きさが異なるため、これもRaspberry Pi 3用であることを確認してください。スピーカー/ヘッドフォン
ラスベリー・パイで音を出したり音楽を作りたいならヘッドフォンやスピーカーを接続することもできます。一般的なステレオ・ミニジャックで接続できます。スピーカーはアンプ内蔵のタイプを使用してください(一般的なパソコン用スピーカーはほとんどこのタイプです)。USBやHDMI、Bluetooth接続タイプのスピーカーも使用できますが、細かな設定が必要になることがあるので、わからない場合はメンターに尋ねてください。
どこで買えるの?
一般のパソコン・ショップで販売しているところはまだ多くありません。狸小路7丁目の梅澤無線でも販売していますが、常時在庫が揃っているわけではないようです。CoderDojoのメンターたちは主に次のようなネット通販を利用しています。株式会社ケーエスワイ https://raspberry-pi.ksyic.com/
スイッチサイエンス https://www.switch-science.com/catalog/list/467/
このほか雑誌「子供の科学」のネットショップでは「はじめよう ジブン専用パソコン」という名前でRaspberry Pi 3と各種パーツをセットにしたものが販売されています。
http://prog.kodomonokagaku.com/jibun/
使いこなせるかな?
設定や使い方でわからないことがあれば、CoderDojoへ持ってきてください。メンターたちがお手伝いします。なおCoderDojo札幌東ではディスプレイの貸し出しも可能です。ただし数に限りがありるので事前に「ディスプレイを使いたい」と連絡をお願いします。
CoderDojoとラズベリー・パイとの関係は?
CoderDojoとラズベリー・パイ財団は両方ともイギリスで生まれた非営利組織ですが、元々は別の団体です。ただし「より多くの若い世代がコンピュータ科学を学びやすい環境をつくる」という目的は同じでラズベリー・パイ財団はそのためのハードウェアとソフトウェアの開発、CoderDojoは学ぶための場と人の提供活動をしてきました。この共通の目的を果たすためにはお互いの協力関係を深めることが大切だとの認識が一致して、2017年5月、二つの団体の実質的な統合が発表されました。
「Raspberry Pi、子どもプログラミング道場CoderDojoと統合」
本部組織の統合されても、CoderDojo自体の活動内容が変わることはありません。ですから「CoderDojoではラズベリー・パイしか使えない」ということにはなりません。
CodeDojoは使用するコンピュータの種類やソフトを問いません。子供がやりたいこと、作りたいものの実現をわたしたちはお手伝いします。